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≪ TRAVIS WALKER PROFIERLE ≫

サンタモニカから、途中何度も左手に広がる太平洋に気を取られながら海岸線を北へ車を走らせること30分、ロードサイドにはMALIBU(マリブ)の文字が書かれた看板が立ち並び始める。1970年、この山を背に太平洋を臨む街マリブでトラヴィス・ワーカーは生まれた。今でこそシルバーアクセサリーの聖地などと呼ばれることもあるが、昔はただの田舎だった。その頃を振り返り、彼は言う。「欲しいものは自分で作るしかなかった。」バイク、サーフボード、釣り竿、彼の身の周りにある多くの物がその全てを物語っている。そして同じ考えを持つ仲間と共に皮革製品を作り始めたのが今の仕事の始まりだった。

もともと器用でグラフィック・デザインを得意としていた彼は、感性だけを頼りに独学で培ってきた技術と創造力を駆使して仕事に励んできた。そんなトラヴィスを、シルバースミスへと導く大きな切っ掛けを与えたのが、故ガボール・ナギー氏との出会いだった。ガボールは彼の才能を高く評価し、アトリエのペイント(壁一面にカンパニーロゴをデザインし描いた。)に始まり、生涯ガボールのレザーウェアーの製作を依頼するようになる。そうして作られた独特な製品はたちまちLA界隈でも話題を集め、間もなく「革の魔術師」とまで呼ばれるようになった。以来彼は、「革と銀」全く別の技術を要する二つの素材を巧みに使いこなすようになり、だんだんシルバーの魅力に取り付かれていく。

そして1997年1月、トラヴィスは27歳にしてビル・ウォール氏と共にMICで日本デビューを果たし、あのエリック・クラプトンが右手薬指に彼のスカルリングをはめて登場したアルバム(ピルグリム)の広告で一躍脚光をあびることになった。彼のジュエリーは長年の経験による高い技術で作り出され、銀のうねりを強調することによって身に付けた時の一体感を大切にしている。クロスやスカルをメインに、ガーゴイルやダガー(短剣)などのモチーフを使用しており、力強くありながらも仕上げはとても美しく丁寧である。

本来「One Design For One Customer」をモットーとしていた彼らは、コレクションの多くを限定(Ltd.)とし、さらには希望によりスカルやガーゴイルの目に半貴石をはめ込んだり、部分的に18金の加工を施すなど、一般の人々でも気軽にカスタム・オーダーがかけられるのも特徴的である。

決して、営利主義にならずアルチザンスピリッツを忘れず、デザインから仕上げまでの全行程を本人自らの手で行うスタンスを貫く、とても希少なシルバースミスである。


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